Face to Faceの表紙の人はこうやって選んでいる(1)

『Face to Face』のメインコンテンツは「Face to Face Talk」といいます。富士地域で活躍する人物のインタビュー記事です。

ライトな暇つぶしコンテンツが好まれる昨今において、巻頭3ページ4000字のライトでもお気軽でもないボリュームで、その人の人生の転機や生い立ちにまでさかのぼってストーリーを描きます。表紙写真も飾っていただいています。

当Face to Face紙はその名のとおり顔、つまり「人の生き方」という切り口でストーリーを伝える媒体なので、ニュースのように活動内容を紹介しておしまいではなく、あくまで人物そのものを主役に置いています。それだけに、人選にはいつも気を使います。

「毎月毎月、面白い人をよく見つけてきますね。」

とよく聞かれます。

そうなんです。毎月探すのはけっこう大変なんです。

もう長年やっているので、「そのうち街に住んでるめぼしい人をすべて紹介し尽くして、ネタ切れしまうんじゃないか」という不安がないわけでもないですが、不思議なもので探せば探しただけ、取材対象は見つかるものです。

ただよく誤解されるのが、「Face to Faceに出てくる人はみんなすごい人ばかりですね」ということ。

必ずしも「すごい人」だから取り上げているというわけでもありません。同じ街に住むふつうの人のストーリー、というのが編集コンセプトです。

「雲の上の人がやっている、私とは関係ない世界の話」ではなく、「やっている仕事は違うけど、みんな同じように悩んだり笑ったりしながら、同じこの街の空気を吸って生きてるんだね」という感覚を大事にしています。

もちろん、全国的・世界的に名の知れた人物もときには登場します。これまで取材した中で一番の「有名人」はたぶんプロサッカー選手(当時)の川口能活さんだと思いますが、そのときも「元日本代表・川口能活」ではなく、「元・富士っ子の川口さん」という視点でインタビューしました。「世界で活躍したあの人も、僕らと同じように富士山を見て、同じようなことを感じながら少年時代をここで過ごしたんだ」ということを描きたかったからです。

Face to Faceのテーマは、「普遍性」「共感性」 です。

「すごい人もいるものねぇ。すごい人はやっぱり考え方がふつうの人とは違うねぇ」というような一歩引いた称賛ではなく、「そういうこと、私にもある!」「私にもなにかできそう!」という、すぐ手の届くところにあって自分ごととして感じてもらえるような、明日からの人生がほんのちょっとだけ変わるような、そんなインスピレーションとして伝えることができたらうれしいな、といつも思いながらつくっています。

じゃあ、どうやって対象者を探してきているのか。

どういう基準で選んでいるのか。

次回はそんな話をしたいと思います。

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