フジヤマハンターズビールでの撮影

暑い暑いお盆中の8月15日のこと。富士宮市大鹿窪にあるフジヤマハンターズビールの醸造所「柚野テイスティングルーム」へ、Face to Face 2020年10月号の表紙撮影に行ってきました。ご登場いただくのは同社代表の深澤道男さんです。

柚野の里として知られる一帯ですが、旧芝川町といったほうが分かりやすい人もいるかもしれません。富士川楽座から富士川沿いに県道10号線を北上すると、JR芝川駅あたりで富士川と芝川が合流します。そこから芝川の流れに沿って走る県道75線を進んだ山あいに柚野があります。

こんな感じの道すがら、芝川を2回ほど跨ぎ、車でとことこと走っていきます。
ところどころで道が狭くなるので、飛ばしちゃいけません。

そして到着。
(のぼりが裏返っちゃってますが、ご容赦を。)

私は直後に用事があったため、撮影担当の飯田くんとは現地集合です。

待つ間、炎天の直射日光にクラクラしながら周辺を散策していると、サトイモの葉の陰に避難するアマガエルを発見。この熱波のなか陸上に上がるとは、乾燥に弱い両生類のくせになかなかの無茶をします。

10月号の「今月の総評」でも書きましたが、見渡せば絵に描いたような日本の里山です。遠く聞こえる蝉の声。夏草の匂い。のどかな風景が一面に広がります。

都会を離れた山の中で涼しげな気候を想像するかもしれませんが、実際にはこの日、ジリジリと焦げるような照り返す暑さです。盆地地形のせいもあるかもしれません。

ハンターズビールの庭では、ヤギとかニワトリとかいろいろ歩き回っています。
これはえーと、たぶんウコッケイですね。違ってたらごめんなさい。

どことなく「となりのトトロ」の世界観。日本の里山文化は海外でもSATOYAMAなんていって注目されていますが、人と動物と自然のちょうどいい距離感が、そこにはあります。

屋外の緑を背景に、表紙撮影を行います。
次の2つは飯田くんが撮った本紙不使用カット。

日差しが強い中での撮影は大変です。汗も出るし、顔に陰が落ちて目鼻の彫りや皺が強調されるので、レフ板でうまく光を反射させて均等に当てなければなりません。だから女性だととても気を使うところなのですが、今回の深澤さんの場合は太陽の作る陰影が野性味として良いほうに働きました。


草原の中でビールグラスを持っていただいたら、キリンだかアサヒだかの緑のラベルのやつのCMみたいになっちゃいました。どっちか忘れたけど。そんなわけでこの写真はもったいないけどボツにしました。

それにしても、このすさまじい暑さ、(仕事中とはいえ)夏休み時期の開放感、真っ昼間、原っぱ、(ほぼ熱風だけど)そよ風、そしてビール。これはもうたまらなく美味そうですね。やっぱりビールは休日の昼に似合う飲み物です。私は昨年秋にお酒を卒業してしまったので、味わうことができないのがちょっぴり残念。ちなみに撮影担当の飯田くんも酒が飲めない九州男児です。記事を作っている本人たちが現物を飲んでいないというのがやや心苦しいですが、インタビュー時にいただいたホワイトコーラは超絶おいしかったです。

さて、こちらは建物入り口。

農家で猟師という自然派イメージそのものの深澤さんですが、同時にどこか都会的なおしゃれさも感じます。深澤さんはきっと自然と同じくらい、人との交流も好きなのでしょう。地縁の仲間内だけではなく、その姿勢に共感して買いに来る人、いっしょに働く人が全国からやってくるから、田舎と都会、「昔ながら」と「今どき」の融合したセンスがそこに生まれるのだと思います。

世界で最も環境問題に熱心な企業のひとつとして知られるアウトドア用品ブランド、パタゴニアともコラボしたり、オリジナルグッズも販売しています。

建物の中は小さなビール工場。醸造用タンクが並びます。

地元の自然素材を使って作るため、大手ビールメーカーの「いつどこで飲んでも同じ味」とは違い、季節の変化やロットごとの作り手の工夫を楽しむことができます。

お酒づくりで起業するのは決して簡単ではありません。酒税に関係する規制が多いため、税務署と綿密に相談し協力を仰ぎながら、なんとかここまで辿り着いたそうです。

プレゼント用商品のビールを撮影をする飯田くん。

今回、ずうずうしくもお願いして、330mlの2本セット5名様分をご提供いただいちゃいました。詳しくは紙面をご覧ください。

まあもっとも、売り物を作っている人を取材したときには、たいていずうずうしくお願いしちゃう我々です。

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